日本を代表するトラディショナルな古典音楽の雅楽。世界的に著名な作曲家だった武満徹さんが『秋庭歌一具』(しゅうていがいちぐ)という雅楽的な作品を残しています。

普段はあまり雅楽というものを聴かないのですが、この作品は普通の雅楽とは少し違う印象を受けます。武満さんだからこその出来る編曲や間の取り方など、現代音学的な美意識とこだわりが伝わってきます。それでいてとても聴き易く何度も聴いている愛聴盤です。
夜や寝前などに聴いてもとても良いです。あまりうるさく盛り上がる箇所はなく、環境音楽のようでもあります。録音も輪郭が柔らかく、耳に痛くなりません。
秋の日本の風景が見えるような音による描写、静かな空気感はとても神秘的でリラックスでき、神道的な印象も受けます。
現代雅楽ともいうべきユニークで希有な傑作です。

1973年に武満さんは国立劇場から雅楽の作曲を依頼され4曲目に収録されている秋庭歌一具 第4曲 秋庭歌を完成させます。この仕事に自身が触発され、全6曲のこの作品が完成することとなったそうです。

演奏も素晴らしいですね。伶楽舎というグループで現在も演奏会が催され、学生に向けたワークショップやレクチャーコンサートなども行っているようです。