インドネシアのジャワの伝統音楽、kacapi suling(カチャピ・スリン)を演奏する精鋭の若者5人によるのグループ、Sambasunda Quintet (サンバスンダ クインテット)は1998年に西ジャワで結成されました。
カチャピ・スリンとは琴(カチャピ)と竹笛(スリン)が主に使われます。雰囲気はスンダ地方のドゥグンにも似ていますね。
2011年の『Java』ではそれに加え、パーカッション、バイオリン、ボーカルも入り、若い感性で現代的なハーモニーでの伝統音楽が新鮮にレコーディングされています。



インドネシアのジャワの雰囲気も大事にしつつ、中東音楽やラテン音楽の要素などもセンスよくほのかに入れている部分もあります。
このグループの中心的存在のIsmet Ruchimat(イスメット・ルヒマット)はノルウェーに行ったときに伝統音楽を聴いたことが、視野が広がったと、とても影響があったようです。6曲目などは北欧のフィドル的フレーズなどとインドネシアのミックスでとても面白い。
この説明だけ聴くともう様々なワールドミュージックが無秩序に入っているように聞こえるかもしれませんが、実際に聴いてみるととてもよくまとまっており、それでいて伝統的な硬派なイメージも受けます。そういった垣根を気にしないところも現代の面白い音楽の特徴のような気もします。

ボーカルは涼しげで優雅で落ち着いています。このアルバムに収録されている曲は全体的にゆったりしている雰囲気で、品がありますね。少し哀愁もあり。
選りすぐりのメンバーが集まっているので演奏が本当に一流です。若いながらも非常に安定感があり気持ちがこもっているのが伝わってきます。
とても好きなおすすめの作品です。