''コラ'というのは' 西アフリカが発祥と言われる300年以上も使われ続けている楽器です。 ヒョウタン共鳴胴に21本の弦が縦に貼られており、弾いて発音する類いのものです。
ハープとギターの中間のような美しい音色でアフリカ楽器の中でも代表するものの一つです。


コラの演奏者は基本的には世襲制であり、"グリオ"と呼ばれています。グリオの一族は情報や生活の為の教訓などを演奏や歌によって伝達する仕事です。グリオはフランス語で、現地の言葉では''ジャリ''といいます。 文字の使わない生活の中では必要不可欠な役目でした。冠婚葬祭の際や、政治の分野でも王の直属のグリオなどがいて知識を政に活かしたり、人々の心を演奏によって和ませたり、様々な役割がある重要な仕事です。「一人のグリオが死ねば、一つの図書館が焼けたようなものだ。」と言われていたそうですね。呪術的な側面もあるのだとか。。

曲も比較的落ち着いたものが多く、癒し効果もありますね。
気に入っているシンプルなコラの作品をいくつか紹介します。


マリ共和国のコラ奏者Ballake Sissoko(バラケ•シソコ) 2012年の『At Peace』 コラ中心でチェロとバラフォンなどが少し入っていて、とても優しく、瞑想的な演奏が収録されています。 アフリカの伝統楽器でブラジルの伝統音楽家のルイスゴンザーガの『Asa Branca』をカバーしているのが面白いですね。平和な気持ちになるとてもいいアレンジ。



Toumani Diabate(トゥマニ・ジャバテ)もマリ共和国出身のコラのベテラン奏者の コラだけのソロアルバム『The Mande Variations』がとても素晴らしいですね。
タイトル通り、伝統的な曲が収録された作品です。穏やかでエキゾチックで極上のシンプルな演奏。



こちらはToumani Diabate(トゥマニ・ジャバテ)と同じくマリのギタリスト、故アリ•ファルカ•トゥーレとのデュオ作『In The Heart of the Moon』
コラのとギターと少しの歌、かけ声などでのアンサンブル、ミニマルでアフリカ的で美しい音楽ですね。良い意味で難しいところが無くて聴き易いです。 11曲目のGommiという曲は演歌やお祭りなどを彷彿させるの日本的な印象も受けました。使っている音階が同じということもありますね。