クロンチョンとは16世紀にポルトガルがインドネシアを支配していた時代にポルトガル音楽に影響をうけて発生した音楽のことです。
ジャカルタのトゥグーという町でポルトガル人移住区で混血が進みました。
トゥグーに住み着いたポルトガル人はインドネシアに行き着くまでにアフリカ喜望峰回り、インドを経由しており、様々な文化などの終着点となったそうです。

演奏スタイルはポルトガル人が持ち込んだ小型のギターの『チュック』『バイオリン』『フルート』『チャック(バンジョー)』『チェロ』『コントラバス』打楽器なしの編成が基本になっています。

クロンチョンにはジャズのスタンダードのようにお決まりの曲というものが存在し、現在でもインドネシアでは歌い継がれています。ブンガワン•ソロなどは日本でも知っている方はいるのではないでしょうか。
懐かしさやノスタルジーを感じる素晴らしい音楽です。

さて、前置きがながくなりましたが、そのクロンチョンを現代的にアレンジをしたUbiet (ウビエット)の『Kroncong Tenggara』という2007年の作品を紹介します。
ラテン音楽、現代音楽の要素、ジャズ的なコードやクロンチョンでは使用されないような楽器を使いながら、あくまでもアコースティックで、原曲の良さを失わない楽しい音楽に仕上がっています。
エキゾチックで洗練されていて、そして飽きさせない不思議な雰囲気ですね。



2015年には『Archipelagongs』という作品もリリースしています。
打ち込みやシンセなども使用し、エキゾチックでポップなサウンドでなかなか面白いですよ。

日本ではCDの流通が少なめですがダウンロードやApple Musicで聴くことできます。